2018年も10月半ば頃から各医療機関でインフルエンザの予防接種が開始されました。
インフルエンザ予防接種をしたあと、毎年のように腫れるという声を聞きますが、冷やすという対処は有効なのでしょうか?
また副反応とは?
目次
インフルエンザ予防接種の効果
そもそもインフルエンザワクチンを接種することによってどのような効果が得られるのでしょう。
予防接種をすればインフルエンザにはならないのでしょうか?
インフルエンザワクチンを接種をすることにより、インフルエンザウイルスに対する抗体が体内に作られ免疫力を高めることができます。
しかし、これはウイルスと闘う準備をするということであって、ウイルスが体内に侵入するのを防ぐという意味ではないし、また感染しないということを意味するものでもありません。
むしろインフルエンザ予防接種の最大の意義は、感染後の重篤化を防ぐということにあるのです。
インフルエンザ予防接種の副反応とは
体内にワクチンが入ると、体のなかで免疫システムが働き、ワクチンを「異物」と見なして抗体を作り出します。
これは言わば強制的に免疫システムを稼働させ、アレルギー反応を引き起こさせていることになるので、その結果接種部位が赤くなったり腫れたりする副反応が起こることがあります。
ですので、この反応そのものは体の正常なシステムであり、異常なものではないのです。
ただ、体調や体質によって症状が強く出てしまう可能性もあります。
そのような場合にも、正常な反応だから大丈夫といって放置してもいいのかといえば、そんなことは決してありません。
基本的な副反応の種類を理解しておき、それに照らし合わせ、「これはおかしいかもしれない」と判断できるようにしておくのが大切です。
最低限の判断ができるようになると、自分だけでなく、子どもや高齢者といった家族を守ることにもなります。
そして、必要に応じて医療機関に問い合わせ、受診をしましょう。
腫れなど皮膚に現れる副反応の種類
皮膚に見られる副反応は大きく分けて2つのケースが考えられます。
1つは、ワクチンを接種した部位の周辺のみが腫れている場合で、もう1つは、腫れが肘や肩にまで広がり、痛みや熱を伴う場合です。
1つ目のような皮膚症状は予防接種を受けた人全体の10%~20%に見られますが、多くの場合、生活に支障のない軽微なものです。
赤み、腫れ、痛みなどの症状があります。
熱感やかゆみを伴うこともありますが、これはインフルエンザワクチンに対して体が正常に反応し、体内に抗体が産生された証拠なので基本的に心配の必要はありません。
通常、2~3日程度で症状が落ち着きます。
一方で、腫れが腕全体や肩をこえて広がるような場合は正常ではありません。
これはアナフィラキシー反応の可能性があります。
通常アナフィラキシー反応は接種から30以内という早い段階で症状が現れます。
ワクチン接種後しばらくは病院で待機を促されると思いますが、それはこの危険性があるためなのです。
腫れを冷やすという対処法
「少し腫れやかゆみが強いかな」などと感じたら、冷やすという対処法で一定の効果があります。湿布や濡れタオルなどで接種部位を冷やしてください。
ただし、氷や保冷剤で急激に冷やすことは控えましょう。
刺激が強すぎて逆効果になる恐れがあります。
このように冷やすという対処法はある程度効果があるとされていますが、急激に刺激を与えすぎないことには必ず注意しましょう。
また様子を見て明らかに異常を感じたら自分で判断せず医療機関を受診することが大事です。
救急車を呼ぶべきか迷ったら「救急相談センター」というのもあります。
「♯7119」に電話をすれば、緊急性がある症状かどうかアドバイスをしてくれたり、受診可能な病院を探してくれたりします。
全身症状として現れる副反応
インフルエンザワクチン接種による副反応には皮膚症状に加え、全身症状もあります。
これは体全体に現れる症状で、発熱・頭痛・悪寒・倦怠感などがあります。
通常、皮膚症状同様に2~3日程度で症状がなくなるので、十分に水分補給をしながら様子を見てください。
ただし、それ以上長引く場合や38℃以上の高熱が見られる場合は医療機関に相談してください。
その他、皮膚症状のところでも述べたアナフィラキシー反応に見られる全身のアレルギー症状、呼吸困難、喘息、しびれ・麻痺などの症状が見られると要注意なので、すぐに医療機関を受診しましょう。
インフルエンザ予防接種後の注意点
①接種後30分程度は、急な副反応に対応するため医療機関で待機しておくこと。
②入浴はしてもよい。ただし、接種部位をあまり強くこすらないようにしましょう。
③接種当日は接種部位を清潔に保ちましょう。また、激しい運動や飲酒は控えてください。
④副反応について述べたような異常が見られた場合は速やかに医師の診断を受けてください。
インフルエンザ予防接種で腫れる場合、冷やすのは効果的か?のまとめ
インフルエンザ予防接種による副反応そのものは異常なものではありません。
皮膚症状・全身症状があり、典型的な症状を理解してどういう状態が異常なのかを判断し、そして行動(=受診)できるようになるのが重要です。
インフルエンザ予防接種での腫れを冷やすのはあくまで応急処置です。
医療機関への早めの受診がベストなのは言うまでもありませんので、くれぐれも誤解のなきようにお願いします。
それでは最後までお読みくださりありがとうございました。
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