12月23日(土)のジョブチューン3時間SPでは神社とお寺の正しいお参りの仕方をが伝授。良識ある大人として、正しい作法はわきまえておきたいところですね。これを見て神社とお寺の違い、両者で異なるお参りの仕方を知った上で、初詣へ行ってみてはいかがですか?初詣の正しい参拝法を理解して、ご利益アップも間違いなし!
神社とお寺の違い
神社ではお参りするときに手をパンパンと叩くが、
お寺ではしない。神社には鳥居があって、お寺にはない。お寺には仏像。そして、神社は神道でお寺は仏教。神社とお寺の違いって、それくらいしかわからない。そういう方って多いかもしれませんね。ここで改めて両者の違いについて理解を深めて初詣に備えておきましょう。
番組では武蔵一宮氷川神社と成田山新勝寺を例に神社とお寺の正しいお参りの仕方が紹介されました。
神社とは
神社は、日本の固有の宗教である神道の信仰に基づくものです。神社には日本の神様が祀られていて、これが信仰の対象となります。
この神道の神様ですが、これは「八百万(やおよろず)の神」と言われるように非常に多義にわたり、山・森・石・神木などから特定の人(皇族・菅原道真他)まで、森羅万象の様々な対象を含みます。
そして、神社には鳥居があります。鳥居が建てられる理由は、神社は神様が降りてくる神域があり、それと俗世界とを区別するためです。神域に降りた神様と、人が住む世界とを区別し、お互いの存在を分かち合いながら住み分ける為に鳥居を建てたとされています。
ただし、仏教寺院にも見られることがあります(神仏習合)。一方で鳥居を持たず楼門(随神門)をもつ神社も存在しています。
お寺とは
お寺は日本固有の神道とは違い、インドという外国が発祥の宗教です。お寺は、仏様を祀り、仏像をすえ、僧が仏法をおさめる為に存在しています。
お寺には仏像が祀られ、ここで仏教の出家者が修行を行います。
お寺には、僧侶・尼さん・住職などがいて、御本尊として仏様が安置されています。大日如来、薬師如来、釈迦如来、聖観世音菩薩、文殊菩薩、地蔵菩薩、不動明王などの像が仏様です。
御本尊は、金堂に安置されており、お祈りを捧げる礼堂と同じ建物内に一体化して存在している為、神社よりもお寺の方が、御本尊(お寺の場合は仏様)をより近く感じることができると思います。
なお、お寺には、院・庵・坊・大師・寺院などの数々の呼び名がありますが、どれも意味は同じです。
神社とお寺での拍手の違い
神社では「二拝二拍手一拝」(二礼二拍手一礼)の作法があります。この正しいやり方を説明します。最初に賽銭箱に賽銭を投げ入れて鈴を鳴らしてから、拝礼します。この次からが「二拝二拍手一拝」。
①まず、かるく礼をします(ことのきは45°くらいの角度で頭を下げます)。これを深揖(しんゆう)といい、これからお参りさせてもらう気持ちを表します
②次に、二拝(2回おじぎ)します(このときは90°)
③次に、二拍手し(このとき、右手は少し下にずらします)、願いを込めます
④最後に、神様を送り返す意味で最後に、両手を下ろしてもう1回深々と90°に頭を下げます。これが一拝です
「礼」は30°~45°の角度のお辞儀、「拝」はおよそ90°のお辞儀を意味します。
このようにして神社では拍手をするのですが、一方、お寺では、拍手を打ってはいけません。
一説によると、手を打つ理由には、下のような意味があります。
■手の中に武器がないことを意味する
■拍手音で邪気を消す
■昔、手を水で清める時、水が無い場合、草木をたたいて汁をだし、それで清めたそのなごり
■手を合わせた形がカシワの葉に似ている(カシワは、神の食事の意味や、皇室で供物を盛るために使うので、神に捧げるという意味がある)
このように拍手をするというのは日本の神社だけの独特な作法のようです。
神社とお寺での参拝手順の違い
神社でもお寺でも参拝する正しい手順があります。いい大人ともなれば最低限のマナーはおさえておきたいですし、知っているようで知らない人が多いからこそ、この辺のことがきちんとできるようになると洗練された大人の仲間入りができるのではないでしょうか。
では、具体的に見ていきましょう。
神社での参拝手順
神社では次のようにします。
①鳥居の前で一礼
鳥居が神社への入り口となるため、入る前には一礼。鳥居から先へ入った後は、神様の通り道である真ん中を避け、道の左端を歩くようにします
② 手水舎(ちょうずや)で身を清める
手水舎は柄杓が並び水が流れている建物のこと。ここでは次の手順で身を清めます↓
手水舎では
1)右手に柄杓を持って水を汲み、左手にかける
2 )柄杓を左手に持ち替え、今度は右手に水をかける
3)また柄杓を右手に持ち替え、左手に水をためて口をすすぐ
4)口のついた左手に水をかけて清める
5)両手で柄杓を傾けて柄をつたうように水を流し、手で触れた部分の柄を清める
③拝殿に参る
お賽銭を入れ、鐘を鳴らし、二拝二拍手一拝
④境内から退く
境内から退く際には、鳥居の前で本殿に向き直り一礼します
このような流れが神社の参拝手順の基本になります。他方、お寺では次のようになります。
お寺での参拝手順
お寺では次のようになります。
①山門の前で一礼
神社での鳥居と違い、お寺では山門が入り口となります
② 鐘をつく
一般参拝者でも鐘がつける場合は参拝前につきます。これには仏様への挨拶の意があります。ただし、許可がなければつかないようにしましょう
③ 献灯・献香
蝋燭や線香が用意されている場合は、献灯と献香を行います
④ 本堂に参る
賽銭を納め、鳴らし物があれば鳴らします。そのあと、姿勢を正して合掌し、一礼します。神社の場合とは異なり、拍手は行いません。最後に一礼して本堂をさがります
⑤ 山門から出る
山門から出る際には、本堂に向かって合掌一礼を行います
これがお寺での作法になります。お寺の方がより平易で行いやすいでしょうか。これで初詣もバッチリですね。