ドテラは宗教?アロマを勧められた人が知っておきたい「宗教っぽさ」の正体

ドテラは宗教?アロマを勧められた人が知っておきたい「宗教っぽさ」の正体

美容院でアロマのヘッドスパを受けたら、帰りぎわに小瓶のサンプルと冊子を渡され、今度おうちでオイルの会をやるから来てと誘われた。家に帰ってドテラと打ち込むと、検索候補に宗教の文字が出てきて手が止まった。そんな流れでこのページを開いたかたもいると思います。

調べた範囲では、ドテラと宗教団体のつながりを示す記載は、公式サイトにも会員に渡す書面にも見当たりませんでした。ドテラは米国ユタ州に本社を置く、エッセンシャルオイルの会社です。宗教っぽく見える原因は、会社そのものより売る人の語り方と誘い方にあります。怪しい、やばいといわれる理由も、ほとんどが同じところから来ていました。

この記事では会社の素性を確かめたあと、体験会の誘い、サンプルと冊子、会員登録のすすめと、誘われる順番に沿って、何が宗教っぽく見えるのかとその場での返し方をまとめています。

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ドテラは宗教団体ではなく会社

ドテラは宗教団体ではなく会社

まずは、ドテラがどんな会社なのかを公式の資料から確かめます。

創業と日本参入

ドテラ(dōTERRA)は2008年に米国ユタ州で設立され、エッセンシャルオイル(精油)を中心に、サプリメントやスキンケア用品も売っています。社名はラテン語で地球からの贈り物を意味すると、公式サイトの私たちのストーリーが紹介しています。

日本に入ってきたのは2012年でした。国内での販売を担うのは doTERRA CPTG Essential Oils Japan合同会社で、東京都港区西麻布にビルを構えています。会員になる人に渡す概要書面にも会社概況にも、宗教団体との関係をうかがわせる記載は出てきません。

ユタ州とMLM

ドテラとモルモン教を結びつけて調べる人がいるのは、本社のあるユタ州の土地柄が関係していそうです。ユタ州は末日聖徒イエス・キリスト教会(通称モルモン教)の信者が多い州で、人口あたりのMLM企業の数でも全米で群を抜いています。地元紙のSalt Lake Tribuneは2024年1月の記事で、ユタにMLMの会社が集まる背景として、この教会の文化を挙げました。同じ記事には、ユタに本社を置く直販企業のうち、州の記録で従業員がもっとも多いのがドテラだという記述もあります。

宗教学の側からも似た指摘が出ています。コロラド大学の研究者はMormon Studies Review の論考で、信仰の体験を証として人前で分かち合う教会の習慣と、製品の体験談をシェアする売り方がよく似ていると分析しました。

とはいえ、ここで確かめられるのはユタ州という土地の話までです。ドテラが特定の宗教と結びついているという公式の記載はありません。地元の文化が売り方に似た色を付けている、くらいに受け止めておくのが妥当だと私は考えています。

連鎖販売取引

ドテラの売り方は、一般にマルチ商法と呼ばれる形です。きつく聞こえるかもしれませんが、これは会社自身が書いていることでもあります。概要書面は、ボーナスが得られる可能性を示して会員登録と販売をすすめる行為を、連鎖販売取引にあたると自ら明記しています。

連鎖販売取引は特定商取引法で決まりが定められた合法の販売方法で、商品の流通がなくお金だけを集めるねずみ講とは別物です。そのかわり、稼げるかどうかの面は甘くありません。概要書面には、人を勧誘して登録させただけではボーナスは出ないこと、そして一度もボーナスを受け取れない会員が大勢いることまで書かれていました。

国内でドテラが行政処分を受けたという公表は、消費者庁の執行事例を調べた範囲では見つかっていません。

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ドテラが宗教っぽく見える場面

ドテラが宗教っぽく見える場面

ドテラを知るきっかけは、たいてい身近な人からの誘いです。ここからは読者が出会う順に、何が宗教っぽく見えるのかと、そのときの返し方を見ていきます。

体験会・お茶会の誘い

誘われ方は人によってさまざまです。Yahoo!知恵袋には、取引先の人に遠回しにすすめられた相談や、久しぶりに連絡をくれた友達からサンプルが届き、Zoomの説明会に呼ばれた相談が寄せられています。美容院のヘッドスパや児童館、ママ友とのランチが入り方になった話もありました。

会場や会員のSNSでは、波動を上げる、浄化する、宇宙とつながるといった言葉がよく飛び交います。参加者がオイルを使った体験を順に語っては、周りが深くうなずきます。その場の空気は、外から見ると信仰の集まりに近く映るようです。

誘いの段階で知っておいてほしいのは、法律の決まりです。特定商取引法では、勧誘の前に会社名や勧誘の目的を告げることが求められていて、目的を伏せて誘った相手を人目のない場所で勧誘することも禁じられています。ドテラ自身も会員向けのコンプライアンス動画で、目的を事前に明らかにすることを取り上げていました。誘われたら、それはドテラの会なのかと聞いて構いません。

行くと決めたなら、買わない・登録しないと先に決めてから出かけましょう。美容院との付き合いを続けたいときは、家ではアロマを焚かないので、のように自分の事情を理由にすると角が立ちにくくなります。

サンプルと冊子

渡される冊子や説明では、精油を水に垂らして飲む、原液を首や足裏に塗るといった使い方が出てきます。公式サイトのエッセンシャルオイルの安全な使用方法も、芳香と塗布に並べて摂取を案内していました。そこへ、これで喉のイガイガが治ったという使う人の体験談が重なります。

宗教っぽさの芯は、このアロマで治るという語りだと私は見ています。米国では当局がこの語りを何度も問題にしてきました。

  • 2014年のFDAの警告書
  • 2020年のFTCの警告書
  • 2023年のFTCの提訴

2014年は、エボラ出血熱やがん、自閉症などに効くとした宣伝を、米国食品医薬品局(FDA)が未承認の医薬品にあたると指摘したものです(Washington Post の報道)。2020年には米国連邦取引委員会(FTC)が、新型コロナの予防や治療をうたう投稿と、収入を誇張する投稿の中止を求めました(警告書の原本)。2023年にはFTCの訴えで、新型コロナに効くと語った上位販売員3人がそれぞれ1万5,000ドルの制裁金を科されています(FTCの発表)。

3件とも、問題になったのは販売員の宣伝でした。ドテラも概要書面で、製品が病気を治すかのような説明を会員に禁じています。治るという言葉は、会社のルールからもはみ出しているわけです。

使い方のほうにも食い違いがあります。日本アロマ環境協会は、日本では精油は雑品として扱われるため、飲んだり飲食物に混ぜたりせず、原液を直接肌につけないよう呼びかけています。国内のアロマの常識とドテラの案内がずれていることも、怪しいと感じさせる理由のひとつでしょう。

サンプルを受け取っても、買う義務はありません。精油は安全なのかと気になるなら、使う前に製品のラベルと協会の案内を見比べてください。体質によって精油に敏感に反応する人もいて、ドテラ自身も塗る前のパッチテストをすすめています。感想を聞かれても、その場で答えを出す必要はありません。

会員登録のすすめ

何度か顔を合わせるうちに、会員になると安く買えると登録をすすめられます。

登録のあとは、毎月決まった製品が届く定期購入(LRP)をすすめられ、会員どうしのLINEグループに招かれることもあります。元会員の体験をつづったnoteには、50人を超えるグループで、あなたは選ばれた仲間ですと声をかけられた話や、離れていく友人について波動が合う仲間とだけ生きていけばいいと返された話がありました。付き合いが会の中だけに細っていく様子は、外からは宗教の集まりと重なって見えます。

LRPは任意参加です。ただ、続けた月数に応じてポイントの還元率が上がり、止めるとためたポイントが消えてしまいます。会員がボーナスを受け取る条件にもLRPの注文が入っているため、一度始めるとやめにくくなっていきます。

登録をすすめられたら、次の3つを押さえておいてください。

  • 会員の種類
  • クーリング・オフ
  • 相談先

ドテラの会員は、販売と勧誘ができるWA(ウェルネス・アドボケイト)と、割引価格で買うだけのWC(ホールセール・カスタマー)に分かれます。割引率は同じで、買うだけなら勧誘する側に回る必要はありません。概要書面には買うだけのつもりでもWAで登録できるとあるので、どちらで登録するのかを必ず聞いてください。

登録したあとでも、WAなら契約書面を受け取った日か製品が届いた日のうち遅いほうから、WCなら製品が最初に届いた日から、20日以内であれば書面かメールで契約を解除できます(WC会員規約)。

国民生活センターに寄せられたマルチ取引の相談は、2025年度で4,003件でした。ドテラに限った数字ではありませんが、困ったときは消費者ホットライン188に電話すれば、近くの消費生活センターにつないでもらえます。

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家族がドテラにハマったとき

家族がドテラにハマったとき

知恵袋には、母が何にでもアロマで治ると言うようになり、犬にまで塗っていて、そのハマり方が宗教みたいだという相談が寄せられています。

心配になるのは自然なことですが、オイルそのものを頭ごなしに否定すると話はこじれます。好きで使っている人にとって、アロマは暮らしの一部です。アメブロには、健康に気をつけているだけで宗教扱いされると書いた、使う側の声もありました。

話をするなら、お金の流れを一緒に確かめるところから入ってみてください。月にいくら払っているのか、LRPはいつから続いているのか、止め方は知っているのか。家計の確認として聞けば、本人も構えずに答えられます。金額が目に見えると、続けるかどうかを本人が自分で考え直すきっかけにもなるはずです。

はっきり止めてほしいのは、オイルで治すと言って病院に行かないときだけです。体の不調を精油で済ませようとしている様子があれば、受診をすすめてください。

ドテラと宗教のよくある質問

ドテラが怪しく見えるのはなぜ?

販売員のアロマで病気が治るという語りと、国内のアロマ団体がすすめない飲む使い方、目的を伏せた知人からの誘い方が重なっているためです。どれも会社の公式の案内とは別のところで起きていて、詳しくは上の宗教っぽく見える場面の章で取り上げました。

ドテラはスピリチュアルなの?

会社の書面に、スピリチュアルな考え方を掲げた記載はありません。波動や浄化といった言葉は、SNSや会員どうしの語りの中で広がってきたものです。もっとも概要書面のミッションには健康管理の代替法という言葉があり、病院の治療とは別の道を探す人が集まりやすい下地は、会社の側にもあるといえます。

会員にならずにドテラの製品は買えるの?

買えます。公式の会員登録のページに、参考小売価格での購入もできると書かれています。公式のショッピングサイトや西麻布のプロダクトセンター、知り合いの会員から買う方法があり、会員価格より高くなるかわりに登録も定期購入も要りません。

まとめ

ドテラが宗教なのかを、公式の書面と米国の当局の記録から確かめてきました。

  • 宗教団体との関係を示す記載は見当たらない
  • 宗教っぽさの中心は販売員の治るという語り
  • 誘われたらその場で返事をしない

誘ってくる人の多くは、自分がよかったものを善意ですすめています。だからこそ断るときは理由を自分の側に置いて、関係ごと切らずに済む返し方を選んでください。

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